(災害大国 いのちを守る)避難情報、わかりやすく 危険度5段階に 気象庁・自治体、今週から:朝日新聞デジタルクリップ

元: https://digital.asahi.com/articles/DA3S14031354.html?ref=pcviewer  200人以上が犠牲になった昨年7月の西日本豪雨を受け、気象庁が出す洪水や土砂災害などの情報や、自治体が出す避難勧告などの情報が今週以降、順次新しくなる。「種類が多く、分かりにくい」との指摘があったため、従来の情報に5段階の危険度を付記する。伝わりやすくし、早期の避難につなげたい考えだ。  西日本豪雨では、気象庁自治体から防災気象情報や避難情報が出されたが、避難しなかった住民も少なくなく、多数の犠牲者が出た。このため政府の中央防災会議は直感的に情報の意味が分かるよう、気象庁自治体が出す情報を5段階の警戒レベルに整理することにした。  例えば気象庁が出す大雨警報はレベル3に相当し子どもや高齢者は避難、自治体が出す避難勧告はレベル4で全員避難――などとなっている。九州北部豪雨や西日本豪雨は多くの地域でレベル4、5相当だったことになる。  気象庁は今週以降、防災気象情報を発信する際、「警戒レベル3相当」などと加える。また、各自治体も運用態勢が整い次第、防災無線や住民に提供する防災アプリ、エリアメールで、「○○地区で警戒レベル4、避難勧告を発令」などと通知することになる。  ただ、気象庁自治体がそれぞれ状況を判断して発信するため、同じレベルになるとは限らず、混乱を招く可能性は残る。住民は状況に応じて適切な避難行動を取る必要がある。(金山隆之介、岡戸佑樹)  ■増水、画像で配信 避難促す仕組み、各所で  最大の課題は、情報を行動につなげることだ。  国が西日本豪雨で被災した67自治体に課題を尋ねたところ、21自治体が「避難勧告を発令しても、避難行動に結びつかなかった」と回答。中央防災会議は昨年12月に公表した報告書で、5段階の警戒レベルで避難のタイミングを明確化することにしたほか、防災リーダーを育成したり、防災と福祉の機関が連携し高齢者の避難を促進したりする――などの対策を盛り込んだ。  また、国土交通省は「簡易型河川監視カメラ」を2020年度末までに約3700カ所設置し、水位が分かる画像を提供して住民に避難を促す。  自治体レベルでも、取り組みを進めている。大分県は7月から、氾濫(はんらん)した河川や崖崩れなどの写真や映像をスマホの専用アプリで見られる施策を始める。信頼性の高い情報に絞るため、一定の知識や技能を持つ「防災士」の投稿に限る。17年の九州北部豪雨の際、日田市で自治会長が河川の増水を元に住民に呼びかけ、早期の避難につながったケースを参考にした。県内の防災士は1万人超と全国3位。担当者は「近所の防災士が投稿する災害状況を見れば、住民に早く逃げてもらえるのではないか」と話す。  京都大学防災研究所の矢守克也教授は「大事なのは、住民自らが避難行動に移すための目安、『避難スイッチ』を事前に決めておくことだ」と指摘する。例えば兵庫県宝塚市の川面地区には武庫川に合流する川があるが、その川が逆流すると住宅浸水が起こると分かり、住民はこの逆流を避難スイッチにしているという。(竹野内崇宏、角拓哉)
主催者: 防災関係 さん
防災関係
作成者: 作成者: cyounai kusouzu さん