R5長岡市防災基礎研修会について

R5長岡市防災基礎研修会について

長岡市では、自然災害に対する地域防災力を高めるため、令和5年度にR5長岡市防災基礎研修会を開催しました。この研修会は、自主防災会長や町内会長、避難施設管理者などを対象に、地域の防災活動に関する基礎知識を学ぶ機会となりました。本記事では、研修会の概要と内容について紹介します。

研修会の概要
研修会は、5月18日(木)に長岡リリックホールで開催されました。約420人が参加しました。研修会のプログラムは以下のとおりです。

(1)あいさつ 長岡市長 磯田 達伸
(2) 基調講演(50分)
テーマ:「最近の災害とこれに向き合う地域と社会を考える」
講 師:新潟大学 災害・復興科学研究所 教授 卜部 厚志 氏
(3) 基礎講習①(30分)
テーマ:「 自主防災会に期待される役割について」
講 師:中越市民防災安全士会 会長 岸 和義 氏
(4) 基礎講習②(30分)
テーマ:「協働による避難所運営について」
講 師:公益社団法人 中越防災安全推進機構 事務局長 諸橋 和行 氏

研修会の内容
基調講演では、卜部氏が最近の災害事例やその背景にある社会的な問題を分析し、地域と社会が連携して災害に対応するための方策を提案しました。卜部氏は、地域防災力とは「自助・共助・公助」のバランスが取れたものであり、そのためには地域住民の意識や行動、組織や制度、情報や資源などの要素が重要であると指摘しました。また、地域防災力を高めるためには、「自分たちで考える」「自分たちで決める」「自分たちで実行する」というプロセスが必要であり、その中で専門家や行政などと協働することが大切であると述べました。

基礎講習①では、岸氏が自主防災会の役割や活動内容について解説しました。岸氏は、自主防災会とは「私たちの地域は私たちで守る」という意識を持ち、地域住民が一体となって平常時の防災活動や災害時の助け合いに取り組む組織であると定義しました。また、自主防災会が行うべき活動として、「地域の特性やリスクを把握する」「地域の資源やネットワークを整備する」「地域住民の意識や能力を向上させる」「地域外との連携を強化する」などを挙げました。さらに、自主防災活動を継続的に行うためには、「目的や目標を明確にする」「計画的かつ柔軟に進める」「成果や課題を評価する」「情報や経験を共有する」などのポイントが重要であると述べました。

基礎講習②では、諸橋氏が避難所運営における協働の必要性や方法について説明しました。諸橋氏は、避難所運営は地域・施設・行政の三者がそれぞれ役割を果たしながら協力することが求められると述べました。また、協働するためには、「互いの立場や役割を理解する」「互いの信頼関係を築く」「互いの情報や意見を共有する」「互いの負担や支援を調整する」などが必要であると指摘しました。さらに、協働を円滑に進めるためには、「平常時から関係構築を行う」「避難所運営マニュアル等を作成・活用する」「避難所運営委員会等を設置・活用する」などの具体的な取組みが有効であると紹介しました。

まとめ
R5長岡市防災基礎研修会は、地域防災力向上に向けて有意義な学びの場となりました。今後も長岡市では、自主防災活動支援メニュー等を通じて、自主防災会等への支援を強化してまいります。